夕食を共にしたのは、高校時代、数学を習っていた先生。
楽しい時間だった、涙がでちゃうほど、発見の連続だった。
心に、すうっと、しみこんでゆく。
過去が、ふわっと、浮かんでくる。
先生は、沖縄出身。
そう知ったのは、最近のことだ。習っているときは、沖縄出身で
あることすらしらなかった。
高校卒業と共に沖縄を離れ、僕の故郷である沼津に住んだ。
現在67歳。僕の実家とは徒歩30秒。
奥さんは美容師で、僕の母親もお世話になっていた。
その朴訥でおおらかなしゃべり方は、今思い出せば、いかにも
沖縄人らしい。授業中、いつもお酒を飲んでいたなぁ・・。
ああ、思い出した。寡黙な先生が、珍しく冗長になっている瞬間。
TVで、「私は貝になりたい」を、放映していた時だった。
今思えば、先生も、沖縄での経験を反芻し、重ね合わせていたのか。
時間と、場所と、人間と。今振り返って、過去の事実を知ることは、
いかに劇的なことであろうか。
おそらく、先生は沖縄にコンプレックスを抱いている。
「こんなところにとばされて」等々。
僕は、こころから楽しんでいるのに。
「つらい状況なのに、いつも前向きで、プラス思考でえらい」
チガウ。ほんとに、いいところなんだってば。
「あなたはいままで苦労なく育ってきたけど、今が修行のときだね」
NO!いまも、苦労なし。楽しくて仕方の無い毎日。
でも、いままで苦労なく育ってきたのは事実。我が家を知る先生が
いうのだから、事実。
「いま、悩み事はあるの?」
と聞いた先生。
「皆無」
と即答した僕。
幸せは、幸せと信じることから始まる。
僕が生きているのは、現在で、現在の感情が真実で、過去の歴史は
事実でしかない。過去の上に現在は積み重なるが、僕の目には、
現在の沖縄しか見えない。もちろん、過去の沖縄の歴史から
目をそむけるわけでもない。偏見を持ちたくない。プラスにも、
マイナスにも。あらゆる歴史については、ただ、事実を知りたい。
真実は知りたくない。
「ご近所づきあい」という意味では、僕以上に僕の家族のことを
知っている先生。
「あなたのお父さんは、とっても気さくで、やさしくて、おおらか
な人。」
という言葉に、絶句した。厳しい、父の姿が、頭に浮かんだ。
そういえば、他人から父の評判を聞くのは、初めての話。
僕は、両親から、いいところばかりをもらったと思っている。
まえむき、真面目、一生懸命、やさしさ、おおらかさ、素直さ。
あらゆるプラスの要素全てが、両親から授かったものだ。
でも、やさしさは、父からのものではないと思っていた。
いまだから語れるタネアカシ。「あなた(僕)の出す問題が
解けなくて悔しかった」。
そう、数学の楽しさに、美しさに目覚めたのも、この時代。
数学の解法に「エレガント」という表現を用いたのも、
この先生。
この時代、この人と出会えてよかった。
なんだか、涙がとまらない、そんな日。
過去の自分と、現在の自分と、家族と、高校時代と、沖縄と、
沼津と・・・。
いろんなものが、ぐるぐるまわって、答えは出なくて。
いい、刺激。
いい、時間。
先生は、笑いながら帰っていった。
振り返れば、僕の歴史に、出会ったことを後悔する人がいるだろうか。
出会わなければ良かった人なんて、一人もいない。
いや、むしろ、自分の人生と、一瞬でも交わった、通り過ぎた
すべての人に感謝しなければならない。
全ての人が、僕の歴史を形作っている。
素晴らしい、僕の、人生を。
あ、今もまた、大学時代の親友からの電話。
ありがとう、ありがとう。
みんな、ダイスキ!
楽しい時間だった、涙がでちゃうほど、発見の連続だった。
心に、すうっと、しみこんでゆく。
過去が、ふわっと、浮かんでくる。
先生は、沖縄出身。
そう知ったのは、最近のことだ。習っているときは、沖縄出身で
あることすらしらなかった。
高校卒業と共に沖縄を離れ、僕の故郷である沼津に住んだ。
現在67歳。僕の実家とは徒歩30秒。
奥さんは美容師で、僕の母親もお世話になっていた。
その朴訥でおおらかなしゃべり方は、今思い出せば、いかにも
沖縄人らしい。授業中、いつもお酒を飲んでいたなぁ・・。
ああ、思い出した。寡黙な先生が、珍しく冗長になっている瞬間。
TVで、「私は貝になりたい」を、放映していた時だった。
今思えば、先生も、沖縄での経験を反芻し、重ね合わせていたのか。
時間と、場所と、人間と。今振り返って、過去の事実を知ることは、
いかに劇的なことであろうか。
おそらく、先生は沖縄にコンプレックスを抱いている。
「こんなところにとばされて」等々。
僕は、こころから楽しんでいるのに。
「つらい状況なのに、いつも前向きで、プラス思考でえらい」
チガウ。ほんとに、いいところなんだってば。
「あなたはいままで苦労なく育ってきたけど、今が修行のときだね」
NO!いまも、苦労なし。楽しくて仕方の無い毎日。
でも、いままで苦労なく育ってきたのは事実。我が家を知る先生が
いうのだから、事実。
「いま、悩み事はあるの?」
と聞いた先生。
「皆無」
と即答した僕。
幸せは、幸せと信じることから始まる。
僕が生きているのは、現在で、現在の感情が真実で、過去の歴史は
事実でしかない。過去の上に現在は積み重なるが、僕の目には、
現在の沖縄しか見えない。もちろん、過去の沖縄の歴史から
目をそむけるわけでもない。偏見を持ちたくない。プラスにも、
マイナスにも。あらゆる歴史については、ただ、事実を知りたい。
真実は知りたくない。
「ご近所づきあい」という意味では、僕以上に僕の家族のことを
知っている先生。
「あなたのお父さんは、とっても気さくで、やさしくて、おおらか
な人。」
という言葉に、絶句した。厳しい、父の姿が、頭に浮かんだ。
そういえば、他人から父の評判を聞くのは、初めての話。
僕は、両親から、いいところばかりをもらったと思っている。
まえむき、真面目、一生懸命、やさしさ、おおらかさ、素直さ。
あらゆるプラスの要素全てが、両親から授かったものだ。
でも、やさしさは、父からのものではないと思っていた。
いまだから語れるタネアカシ。「あなた(僕)の出す問題が
解けなくて悔しかった」。
そう、数学の楽しさに、美しさに目覚めたのも、この時代。
数学の解法に「エレガント」という表現を用いたのも、
この先生。
この時代、この人と出会えてよかった。
なんだか、涙がとまらない、そんな日。
過去の自分と、現在の自分と、家族と、高校時代と、沖縄と、
沼津と・・・。
いろんなものが、ぐるぐるまわって、答えは出なくて。
いい、刺激。
いい、時間。
先生は、笑いながら帰っていった。
振り返れば、僕の歴史に、出会ったことを後悔する人がいるだろうか。
出会わなければ良かった人なんて、一人もいない。
いや、むしろ、自分の人生と、一瞬でも交わった、通り過ぎた
すべての人に感謝しなければならない。
全ての人が、僕の歴史を形作っている。
素晴らしい、僕の、人生を。
あ、今もまた、大学時代の親友からの電話。
ありがとう、ありがとう。
みんな、ダイスキ!
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